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永年勤めていた職場から解放され、時間の制約のない自由気ままな生活を楽しめることを、定年間近の、
多くのサラリーマン達は期待し、胸を膨らませている。しかし、実際はどうなのだろう。
最近、北 連一著の「うれしい定年 さびしい定年」を読んだ。
定年退職した著者自身の考え方や生活状況を、彼特有のセンスで紹介しているが、一方で、平均的サラリーマン退職者の現実も書いていた。
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職場勤めのときは、時間に追われる「定時制」で縛られていたが、退職後は、昔の人が生活したように、自然を物差しとした「不定時制」である。太陽が昇ると起きだし、
沈むと休息する。 「毎日が日曜日」で、定年後の20年近くを平穏に過ごせるのか。 1年365日、情熱のほぼ全てを職場に注ぎ込み、家庭は寝るだけの休息の場であった。 それが一転して、
休息の場であったはずの家庭が、生活の全てとなる。
本では、大岡 昇平の「成城だより」を紹介している。
単調な日が単調な日を追う。
どこって違わない日。
違わぬことをする。 またする。
違わない瞬間が我等を捉え、放つ。
ひと月に ひと月が続く。
何が来るか、ほぼ見込み済み。
退屈も、昨日と同じ退屈ばかり。
明日が「明日」になってくれぬ。
趣味を持つことは、この長い退屈をしのぐのに役立つかも知れません。 特に「料理」は、妻に多少は歓迎されるでしょう。「定年の敵はいろいろあるが、その最大のものは女房である」と、
「さみしいネコ」の著者、早川 良一郎の文章を紹介している。彼の友人の話として、妻から言われた例。
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●例ー1 「よそさまが、忙しく働いているとき、あなたの態度はなんです。 ブラブラ出歩いて、ご近所に恥ずかしい」・友人は、その後しばらく家に閉じこもったが、耐えきれず、人知れず夜行で旅に出たという。
●例ー2 「今まで食事のお世話は一度でした。 会社をおやめになってからは、三度です。収入が減ったのに食費は増える一方です」・友人は食事を二度にして、買ったカップヌードルを、こっそり食べている。
●例ー3 「お仕事を おやめになって、一日中顔を合わせっぱなしでしょう。毎日監視されているみたいで窮屈なの」・友人は、用もないのに、努めて外に出て時間をつぶすようになった。
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妻と共通の話題や趣味を持つとか、退職後とまどわないために、早い時期から妻との付き合い方を研究し、実践しておくことが大切だろう。
「時間を、いかに有効に使うか」「家庭の外で、他人といかに付き合うか」「自分が飽きずに没頭できる趣味を、現役時代から養っておく」これらは、定年退職を迎える者の大きなテーマである。
社団法人・愛媛県シルバー人材センター連合会
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